ちょろっと伊是名島へ行ってきました。
伊是名島は沖縄本島の北沖に浮かぶ島で、琉球王朝の尚円王ゆかりの地として知られています。
海も豊かで釣りをするにも魚影濃く、泳いでみても様々な動物に出会える素晴らしい島です。
あと、人も優しくていい島なんだ…。
が、この日の目的は陸。
「ハブがいない」という点以外にはあまり生物好きから注目されにくい伊是名の山林ですが、非常に興味深いヤツがいます。
そう。サソリモドキ!
沖縄県で観察できるサソリモドキといえば八重山に分布するタイワンサソリモドキが思い浮かぶところですが、実はこの伊是名島にはもう一種の国産サソリモドキである『アマミサソリモドキ』が分布しています。
主として奄美諸島方面に分布するこの種のおよそ分布南限にあたります。
…それを見にきた!
沖縄本島に住んでると周辺離島へ気軽にアクセスできていいね。
とはいえ、伊是名島と本島を結ぶフェリー「伊是名尚円」は朝と昼の二便のみ。
この日は二便で帰る予定だったのでうかうかしていられない。
サソリモドキに関する情報はまったくないが、八重山と奄美大島とカンチャナブリで培ったサソリモドキ勘だけでどうにかなるもんだろうか?
▲かっけぇ…
…想像していたよりもずっと早くどうにかなった。
サソリモドキが好みそうな環境を狙い撃ちにすると即飛び出してきた。
とはいえ、決して個体数は多くない。奄美や八重山のようにワラワラいるわけではないのだ。
伊是名島は他の生息地に比べて大型の土壌動物相が薄い=餌が少ないというのも理由の一としてあるのだろう。
▲細部までかっけぇ…
また、前情報として「伊是名島のアマミサソリモドキの個体群は小さい。大きくならない。」といった旨の噂を聞いていたが決してそんなことはなかった。
写真の通り、ちゃんとアマミサソリモドキらしい大型個体も生息している。
この一点を確認できただけでも来てよかった。
もちろん絶対的な個体数が少ないので大型個体が見つけにくいというのはあるかもしれないが。
▲もちろん幼体もいる。飼いたくなってしまう可愛らしさだが、ここは我慢。おう、頑張って伊是名で命を繋いでくれや。
というわけで、無事に数個体を観察してフェリーへ乗り込み本島へ。
次は伊平屋も見ておかないとな。
県内でアマミサソリモドキを見るのはこれが初めて。いい勉強になりました。
ところで、島民の方に聞いたお話でちょっと気になるものが。
伊是名島は古くから奄美大島との交易が盛んだったそうで、建築様式などにもその影響が見られるのだとか。
…ということは資材なんかも奄美から大量に運ばれて来た可能性が高い。
もしかするとアマミサソリモドキもそれに伴う人為分布って可能性も……?
うーん、それはあんまり考えたくない可能性だな。
素人が邪推してもしゃーない。
たしか日本産サソリモドキのDNAを研究をされている土壌生物の先生がいらっしゃったはず。いずれ機会があればお話をうかがってみたいと思います。
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