もう二年近く前かな?フィリピンはボホール島を訪れた際にイザリウオ……じゃなくてカエルアンコウの一種を食べる機会に恵まれました。
テレビ番組の撮影で素潜りをしている際に、オードリーの春日さんが岩礁に付いていたという個体を拾って(!)きてくれました。
オニダルマオコゼ同様、擬態が凝りすぎて接近されても微動だにしないようです。
地元の漁師さんたちに聞いて見ると、現地では食べることもあるそうです。
というか他のカサゴ、オコゼ類と一緒くたにされているようで『背びれに毒針があるから気をつけろ!』との助言も。
まさか!と調べてみましたがやはりそうした棘は無し。たしかに大型の個体はオニダルマオコゼと混同されがちです。ダイバーさんたちからして見ればありえない話でしょうが、一般的な感覚では魚の見分けなんてそんなものです。
あるいは本当に毒針持ちのカエルアンコウもいたりして…?個人的には夢があるのでその説を信じたい。
▲つくづく不思議な魚体です
▲けっこう立派なサイズ。せっかくの機会だから食べてみましょうか、ということに。
現地で食べられている、と聞いて味にも俄然興味が湧きます。
ダイバーたちのアイドルであることを考えるといくらか気がひける部分もありますが、好奇心が打ち勝つ。こんな機会は滅多にないのだから。
名に『アンコウ』とつくのだから、とあんこう鍋をイメージした醤油仕立てで煮つけに。
味はさっぱりした白身だが、肉質はムチッと、プリッとしている。明らかに遊泳生の魚とは違う『這う筋肉』の食感。
いいダシも出ている。
そして、皮はアンコウのような滑らかさはなくむしろサメ肌のようにザラザラ。この質感は種によっても違うのでしょうが。
しかしこの食感や味には覚えが。前にもこれによく似た魚食べたことあるんだよなあ。
…ミドリフサアンコウだわ。
この魚も肌ザラザラの肉プリプリ。
アンコウ仲間だけあってよく似ています。ミドリフサの方がもうちょっと水っぽいけどね。
しかしアンコウって名前だからあんこう鍋だ!っていう短絡的な発想までこの二種で繰り返していたのはちょっと反省。