6月の話ですが、テレビ番組の撮影でカナダへオオキタムラサキウニ(※当初『アメリカオオムラサキウニ』と表記していましたが、読者の方のご指摘によりオオキタムラサキウニ表記の方が適していると考え修正しました)の捕獲と試食に行ってきました。
浅井企画さんに怒られそうなので写真は載せませんが、牧野ステテコさんと一緒でした。とても真面目で優しい素敵な方でした。
早朝の漁港からダイビング船に乗って出船。ウニ漁場となっている岩礁帯を目指します。
海岸線はみっちり針葉樹林。カナダに来たんだなぁ!という感じです。普段、海に入るのは沖縄ばかりなのでこの景色は新鮮。
相手がウニとあらば当然漁法は素潜り!カメラマンさんの装備を見ていただければお分かりかと思いますが、けっこう寒いんですよ。
僕もステテコさんも戦々恐々。しかし、厚手のスーツとフードを着込めばそれほどでもない。むしろ雨風を受けながら撮影していた船上組のみなさんの方が寒い思いをしていたかもしれません。
水中は海藻が茂り大量の有機物が舞ういかにもな豊栄養状態。視界はよくありません。
しかもオオキタムラサキウニ、日本のムラサキウニと違って波打ち際の手出ししやすい場所にはあまりおらず、やや深場に多い。
漁師さんも普通は深場でタンクを背負って採るそうです。
それでもどうにかこうにか捕獲。この写真だと伝わりにくいけど、さすがに大きい!
比較用に持っている緑色のウニ(これも食べられるそうです)がちょうど日本産のムラサキウニやバフンウニくらいのサイズ。
リンゴと比較。どれだけデカいか伝わったかな?
重さは1キロ超え。ウニでキロオーバーはなかなかないよね。オニヒトデ並み。
体が大きいだけあって、可食部である生殖巣もたっぷり。…でもあまり大きな個体より小ぶりなものの方が色合いも味も良かった気がします。
しかし…。ウニって紙皿に盛るもんじゃないね。番組では豪華なウニ丼にしていただきました。
たしかにムラサキウニやバフンウニと比較すると若干大味ですが、それを差し引いてもたいへん美味しい。…良い仕事だったなあ。
カナダにはウニを食べる文化はなかったそうで、このウニを採るのも主にアジアへの輸出目的。
しかし近年では日本食や寿司ブームのおかげでオオキタムラサキウニが漁師さんを中心に地元で消費される機会も多少増えて来たようです。
写真の漁師さん曰く『ウニは海のバイアグラだ!!』そうです。
…もうこの『海のバイアグラ』『森のバイアグラ』『川のバイアグラ』って表現は世界中で聞いたわ…。そしてこれ言うの絶対おっさんね。当たり前だけど。
実はカナダでの滞在はほんの二泊二日きりの弾丸スケジュールでした。海とホテルにしかいませんでした。
次に訪問する際はもっと期間を長く取りたいものです。
滞在中にこなしたカナダっぽいことといえば初めてプーティーンを食べたことくらいかな。
次回は食も自然もしっかり見てこようと思います。