サツマゴキブリの産卵

講演と調査で高知の黒潮生物研究所に来ています。
実に4ヶ月ぶりの出張…。4ヶ月ぶりの内地…。4ヶ月ぶりの釣り(サンプリング)…。

久々に会う同僚に「太ったな!?」と言われてしまいましたが、チガウヨー。マスクでカオがフクレテ見えるダケダヨー。

相棒のガムテ竿&ミヤエポックR-800がひさかたぶりに火を吹いたぜ!
成果については後日まとめて報告いたします。

で、現在それらと並行して原稿ラッシュの真っ只中。
やべーやべー。取材としてあつ森もやらなきゃいけないし案外忙しいなぁ今年の夏も。

で、気分転換に夜の漁港を散歩しているとこんなものを見つけました。

(※ゴキブリが苦手な方は閲覧注意)

フナムシに紛れてコンクリート壁に張り付く黒い影。これは…

黒潮が当たる地域といえばこの虫!
南方系のゴキブリ、サツマゴキブリでした。
屋外性で、クロゴキブリやチャバネ、ワモンのように衛生害虫になることはありません。個人的に好きなゴキブリです、可愛い。

しかしこの個体、よく見るとお尻から何かがニョッキリ出ています。
実はこれ、卵の詰まった塊(卵鞘)なんです。

産卵中なわけですねー。
ところで!この立派な卵をどこに産み付けると思いますか?

なんと自分の体内に卵を産むんです!

意味わかんない?
意味わかんないよね。
説明しますと、このゴキブリは卵胎生という生殖方法をとる種で、いったん体外に露出した卵をもう一度体内に引き戻し、母虫の腹内で孵化させて幼虫を出産するのです。
卵生と胎生の進化的過渡期に当たる生殖方ですね。

とはいえ、実はゴキブリではこの手の卵胎生は珍しくありません。
ペットの生き餌(あるいはペットそのもの)として広く流通しているアルゼンチンモリゴキブリ(デュビア)やヒッシングローチ類も同様です。
この手のゴキブリは卵を別途に管理する必要がないので飼育下でも繁殖が容易。


ちなみに我が家で飼育中のオブロンゴナタヒッシングローチ。最初はほんの数匹だったのにあっという間にこんな数に…。

でも増やすことこそが生物飼育最大の楽しみ。
サツマゴキブリも飼っていて喜びを享受しやすい生き物なのでおすすめです。ペットとして。

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