先日、琉球大学でとある学会が開催され大学時代の友人が沖縄へやってきた。
学会最終日、航空便の都合でできた空き時間で久々に沖縄のフィールドを歩きたいという。
潜るには装備がないし、クイナを探すのは時間帯の問題で難しそう。どうするかという段になって友人が
「沖縄在住の頃に恐ろしく大きな竹を見つけた。女性の胴回りくらいあったのではないかと思うが、写真を撮り忘れたので誰に話しても信じてもらえない」
という話を聞かせてくれた。
それは面白い。ターゲットが決まった。
▲潮が良かったのでちょっと磯遊びも。
友人が巨大な竹を見たというのは沖縄本島北部の山林地帯。当時の記憶を頼りにレンタカーを走らせる。
▲友人も僕も久々となる北部の森。例年より緑が淡い。
頻発した台風のせいで常緑樹林は枝葉をもがれ、山肌はまるで冬のブナ林のように灰色に染まっている。
「この辺だったはず…。」「いや、胴回りは言い過ぎたかも…。」
車を停めて荒れ道を歩くこと十数分。自信をなくし始めた友人が叫ぶ。
「あ、あった!竹あった!」
▲うおお、高い!
▲なんか写真を見返してみてもスケール感がちょっとおかしくて不安になってくる。
たしかに巨大な竹はあった!記憶が間違いでなかったことを証明できて友人もご満悦だ。
僕もかつてこの近くはよく通っていたのだが、こんな立派な竹の群落があるとはまったく知らなかった。感激。
▲太さよ!僕も友人も割と体格がいい方なのでわかりづらいが、たしかに細身の女性のウエスト周りくらいはあるかも。
この竹はキョチク(巨竹)あるいはゾウタケ(象竹)という和名をあてられている種で、なんと世界最大の竹であるらしい。
英語ではジャイアントバンブー、あるいはドラゴンバンブー。学名はDendrocalamus giganteusといずれもその大きさへの敬意(?)が込められたやたらとかっこいい名前ばかり。
▲500mlのペットボトルと比較。デカさ伝わる?
▲はしゃぐ友人。ファンタジーの小人みたいになってるが、本当は相当なガタイしてます。
原産地は東南アジアで、沖縄にはもともと自生していない植物だと考えられる。しかしなぜ北部の林道に生えているのかは謎。誰かがわざわざ移植したのだろうか。
よくよく調べてみると、このキョチクは沖縄本島だと南城市の玉泉洞敷地内などでも見られるとか。そっちの方がはるかに手軽なので興味のある方は観光ついでに訪ねてみるといいかも。
そんなこんなで数年ぶりに会う友人との休日はいい感じに幕を閉じました。
今週からはまた出張が続くので荷造り、仕掛け作り、スケジュール調整等気合を入れなければなりません。竹探しで養った英気を生かして頑張ります。
※このキョチク群落は地元の方から大切にされているそうなので、もし見かけても竹細工の材料などとして切り出さないように。
初めまして。宜しくお願いします。
沖縄に巨大な竹があるんですね!
行ってみたいです。どの辺りでしょうか?