フィリピン・セブ島の魚市場

2年前だったかな?セブ島へ行った折のこと。

仕事の合間に魚市場を覗く機会に恵まれました。きっと沖縄に似通った色とりどりの魚たち、特にハタやブダイなどが豊富に並んでいるに違いないと踏んでいたのですが、実際は似ても似つかぬラインナップ。


ヒイラギ、小ベラ、小アイゴ。沖縄ではとても売り物にならないような、値段すらつかないようないわゆる雑魚!端から端まで雑魚しかいない!
海自体は綺麗で豊かそうに見えるのに…。
これはかなり異様な光景です。カワハギ類やタマガシラ類といった安魚すら見れない。

▲日本では水族館でおなじみのヒフキアイゴも


▲小さなイトヨリ(アカテンイトヨリ?)とサギの仲間も。

そもそも刺身や塩焼きにできるようなサイズの魚がいない。もっとも多いのはフィンガーサイズのベラ。
「これはどう料理して食べるのですか?」と訊ねてみると「スープにするか、油で揚げるか」とのこと。そうなるよなぁ。
しかし、現地の方々も別にこういう細かな雑魚を特に好んでいるわけではない様子。

▲足がはやい魚や鮮度が落ちてきた鮮魚は干物になる。小型のウツボやウミヘビ、アナゴの姿も。

ラインナップが貧相な理由は二つ。ダイナマイトとレストラン。
各方面に話を聞いてみたところ、どうやらフィリピンの島嶼では未だにダイナマイトを用いた発破漁法が行われているらしい。
ダイナマイトを海中へ投げ込み、その衝撃で失神、あるいは絶命して海面へ浮いた魚を回収する漁法だ。フィリピンに限らず、途上国ではしばしば用いられる漁法である。
そういう国では「ここ超魚いそうなんですけど〜!」という水辺を見つけても、潜ってみると全然!というケースが珍しくない。海でも川でも。

技術的な習熟もあまり必要とせず、問答無用で周囲一帯の魚を確保できるのでたしかに効率は良いだろう。
しかし、老成魚から稚魚まで文字通り根こそぎ獲れてしまうため資源へのダメージは極めて深刻。セブ島沿岸の浅瀬が漁場として貧しくなっているのはこれに起因するようだ。

▲シーフードレストランに行けばカニでもエビでもハタでもストックされている。しかし値段は庶民が手を出せるようなものではない。

また、たまにイセエビ類やハタ類といった良い獲物が上がっても、島民向けのいちばは経由せず直接リゾートのレストランへと売られ、観光客の口へ入るのだそうだ。
そういうわけでセブの魚市場にはいろいろ考えさせられました。地元の人たち、たまにはもっとおいしい魚も食べられてるんだろうか…?

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