オオゴキブリ運

最近オオゴキブリ運がいいんですよ。

オオゴキブリ運ってなんだよって話ですが、オオゴキブリたちにばったり出会える機会に恵まれてるということです。
オオゴキブリの仲間は朽木の内部に坑道を掘って亜社会性(家族単位で共同生活をする)を営むゴキブリです。故に、普段はなかなかお目にかかれない。
「朽木ぶっ壊せばいっぱいいるよ!」とのたまう昆虫マニアもいますが、僕はなるべく朽木ぶっ壊したくない派なんすよ。
でもたまーに、何かしらの理由で朽木外に出ている個体に出くわすことがあります。

驚いたのは秋の八重山の某所でヤエヤマオオゴキブリの成虫がアスファルト舗装の路上にを徘徊していたのを見たとき。
しかも時間帯は真昼で道路の両サイドは背の低い草原でオオゴキブリの好みそうな朽木は見当たらない。

一体何があったのか。リュウキュウイノシシに住処の朽木を掘り起こされて逃げてきたんでしょうか?
それとも独り立ちして新天地を探していた?
いずれにせよ僕にしてみれば思いがけず観察の機会に恵まれたラッキーな出来事でした。

▲ヤエヤマオオゴキブリの幼虫。胸にオレンジ色の斑があります。本土に分布するオオゴキブリにはこれが無い。

オオゴキブリは台所に出るタイプのいわゆる『害虫』のレッテルを貼られているクロゴキブリやワモンゴキブリなどとはかなり雰囲気が異なります。
脚も触覚も太短く、動きも比較的遅い。そして体は大きいですが外骨格が異様に硬い。まるで甲虫のような質感です。襲われ朽木の中で暮らすのに適した進化の形なのでしょう。逃げ場のない坑道内でコメツキムシの幼虫やムカデに襲われた際や湿気で朽木が膨張した際に身を守るのに役立っているのかなあと。

▲飼育しているオオゴキブリの糞。シイタケのホダ木を分解して押し麦状に圧縮して排泄。シロアリのように消化管内にセルロースを分解する微生物を保有しているからこそなせる技。自然界では倒木の分解において重要な役割を担っているものと考えられます。

思えば、オオゴキブリとの人生初遭遇もなぜか屋内(実家の書庫)でした。あれは今思い返しても訳がわかりませんが、とにかくラッキーでした。
あれ?僕の運がいいんじゃなくて思ったよりオオゴキブリって外出しがちなのかもね。

また、シドニーではこんなことも。
昨年にヨロイモグラゴキブリを探しにケアンズへ行った際、帰路で半日立ち寄ったシドニー。路肩に放置された倒木の下何気なくのぞいたところ…

運よく倒木外にあぶれ出ていたオオゴキブリ科のゴキブリ。大きさや形は日本にいるクチキゴキブリによく似ています。
朽木の裂け目をよく見てみると、やはり押し麦状の糞がたくさん溜まっていました。どうやらこの倒木は彼らのスイートホームだったようです。そっと元に戻しておきました。
しかし、あんな直射日光が当たりまくる路肩の朽木でも生きていけるものなんですね。日本産のオオゴキブリやクチキゴキブリたちでは考えにくいことです。たくましい。

いやー、久々にゴキブリの話ができて気持ちがいい。延々ゴキブリの画像を貼り続けてても文句を言われないのが個人サイトのいいところですよね。
ついでにせっかくなので最後に雌雄の見分け方を。

▲メスのお尻。末端の節が大きな一枚の腹板で構成されている。

▲オスのお尻。末端には大きな腹板に重なるように小さな腹板が覗いている。

一見すると性別がわかりづらい昆虫ですが裏返しにして腹部の末端、つまりお尻の部分を見てやれば簡単に識別できます。
つるんと丸く大きな節になっているのがメス。端っこにちょこんと小さな節があるのがオスです。

この方法はオオゴキブリ科だけでなくたいていのゴキブリに適用できます。
もしいつかどこかでゴキブリを手に取る日が来たら、ゴキブリの性判別を強いられる時が来たら、ぜひ試してみてください。

4 件のコメント

  • 幼いころ見たことのないカブトムシかなにかだと思って興奮気味に家に持って帰ったら
    親から「それゴキブリじゃ」といわれサーっと血の気の引いたのを覚えています。
    そのカッコよさに気づいたのはしばらく経ってからですがそれより本記事の平坂さんのイキイキ具合がなんだか笑えました。
    ツイッターですといいね・RTにより拡散され免疫のない人に騒ぎ立てられ罪なきゴキブリと平坂さんにヘイトを向けられる様が容易に想像できます。
    住み分けをキチッとされており流石です。

  • こんばんゎ

    虫とか蛇とか苦手です

    料理が凄く上手だと思いますので

    食べる が見たいです

    できれば虫以外の……

    ょろしくお願いします

  • オオゴキブリは可愛くもあり格好良くもありますね、やはり
    太くて丸っこくて、力も強そうで

    幼少の頃、山に分け入ってクワガタを探した時目にしたのがオオゴキブリ原体験でした
    倒木の陰からゆっくりと顔を出し、モグラめいてズングリしたそれは翅を黒々と木漏れ日に照らされながら精悍なさまを見せていました
    クワガタを探していた事を忘れるほどに見入り、じっと見つめたものです。

  • 個人的にはゴキブリにはなにも思い入れがないので「ほほう」という感じですが、(自分は)良く分からないけど(筆者は)楽しそうという記事は大好きです。巻き込まれていく感じがして。未知への扉というのでしょうか。

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