オカガニのミソは泥の味

何年前の出来事だったか…?オカガニを食った。

オカガニ類とは沖縄で夜間に車を運転していると路上でたびたび出くわす大型の陸生カニである。

もっともよく見られるオカガニ(Discoplax hiripex)。
フィリピンはセブ島を訪問した際にオカガニを食用にするという話を聞いたので試してみることに。

あくまで試食なので資源量への影響を一応、ちょっとだけ考慮して雄を選ぶ。オカガニは雄も左右のハサミの大きさが均等。
同所的に見られるミナミオカガニ(Cardisoma carnifex)では雄のハサミはシオマネキのように片側が極端にデカい。
こちらはミナミオカガニの雄。ハサミのサイズだけでなく、甲羅がオカガニよりもツルッとしている。


この個体は左のハサミが大きい。挟まれるとそれなりに痛いので気をつけよう(小さい方のハサミも同様)。

セブの漁村では「捕獲してそのまま茹でる」と聞いた。
しばらく置いて泥を抜いた方が良さそうだがここは彼らの証言を信じる。
というか泥抜きする・しないどちらも試す。

▲オカガニの塩茹で。

茹でていると良い香りがする。ガザミやモクズガニを茹でる時のあの匂いそのままだ。泥臭さは感じない。
しかし、茹で汁を飲むとやはり土の風味が出ている。その反面、カニ特有のうま味はあまり感じられず「おい、セブ島の人たち……」となる。

▲いただきます!ハサミはそこそこイケる!

鍋から引き上げて殻を割り(ハサミの殻は硬いので小さなハンマーで小突いて割った)、まずはハサミの身から食べてみる。
…悪くない。「フツーにカニの味」といったところ。さすがにノコギリガザミあたりと比較すると味は薄いが、ちゃんとカニらしい美味さ。
何よりハサミの肉づきがいい。採りたてというのもあるが、締まった身が詰まっていてなかなか高評価!

▲アレ…?泥の味がするな…。

…だったのだが、ここがピークだった。
脚は細く身が少ないし、胴の内部も筋肉は少なく多少のミソが入っているのみ。
しかもこのミソが泥抜き前はまさに泥の味で食べられたものではない!
それならばと泥抜きをしてみるも、泥臭さは軽減されたが美味しくはならなかった。なんというかカニミソそのものの味が悪く、さらにそこへ食物由来の土臭がこびりついていたようである。

ダシは取れず、ミソも不味く、ハサミしか食うところがない。

これでは食用には適さない。
ガザミ類が大好きで、ヤシガニも食べる沖縄であっても食べる文化を聞かないことに納得がいった。

しかしこうなると引っかかるのはセブ島で得た証言である。
あちらには美味いオカガニが生息しているのか?
はたまた良い調理法があるのか?
あるいはオカガニ類に似た別の海浜性のカニと誤認or混同しているのか?

次回の訪比時にあらためて聴き取りをし直さなければならない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です